吉野手漉き和紙の出来るまで

植和紙工房

1.楮の伐採

 ・楮畑から楮を刈り取る。
 ・一定の長さに揃えて切る(1.2m)
DSC_9752.JPG楮畑

2.楮蒸し(原木蒸し)

 ・約2~4時間楮を蒸す。P1010806.jpg楮蒸し

3.楮皮剥ぎ

 ・蒸した原木より樹皮を剥ぎ取る。-これを黒楮(クロソ)と言う。
P1010811.jpg楮皮剥ぎ

4.黒皮削り

・楮の樹皮より表皮を取り除く。-これを白楮(シロソ)と言う。
P1010811.jpg楮皮剥ぎ

5.天日干し

・繊維を緊密にするため、白楮にして2年間貯蔵する。

6.水浸漬・・・白楮ゆすぎ、または楮さらしと言う。

DSC_0304.JPG水浸漬

 ・晴天の日に、(冬)約8時間晒す。(夏)4時間晒す。

7.塵切り


・カミソリの刃で白楮の傷の部分を取り除く。

8.白楮の煮熱 -白楮煮き、または楮煮きという。

DSC_5068.JPG白楮の煮熱
・草木灰汁※2でマッタリと煮る。
 ・ソーダー灰で煮ることもある。

9.水洗い(紙素出し)

 ・草木灰汁を洗い流す。

10.塵取り

 ・丁寧に紙素の塵を取り除く。

11.打解(紙素打ち)

 ・打解機でたたいた後、ビータで繊維をほぐす。

12.解繊(ザブリかけ)※4

・ねり※5と白土を加え、ザブリでかきまぜる。

13.手漉き(紙漉き)

img007.jpg手漉き
・厚さを一定に揃えるため、特に注意する。

14.紙床の圧搾(紙棚※6の水とり)

15.湿紙の乾燥

  ・蒸気乾燥

16.選別

17.出荷

DSC_0029.JPG出荷

※注釈
※1 晒す  流れ水で洗って洗浄するとともに、繊維をしっかりと固める目的がある。
※2 草木灰汁  主に、かし、くぬぎなど堅い木を焼いた灰。
※3 細打ち  繊維を柔らかく、キメ細かくするとともに、粘りを付けるために行う。
※4 サブリ 繊維を細かくし、よく練り混ぜるための木製の道具。
※5 ねり   うつぎの木の樹皮を細かく削いだもの。
※6 紙棚  紙床のこと。 漉き上がった紙を水きりするために、重ねておいた状態。